Hydnophytae(アリダマ)の栽培

基本情報

アリダマには、MyrmecodiaHydnophytumMyrmephytumSquamellariaAnthorrhiza の5属があります。
東南アジア〜オーストラリア北部に自生する熱帯着生植物です。(一部地生)
低地から高地、乾燥地帯から高地雲霧林まで環境は様々ですが、低地、中高地、高地と3タイプで管理をまとめることが出来るかと思います。
山採り株でなければ湿度や灌水方法に特に違いはなく、それぞれ最高温度だけ気をつければ栽培可能です。

基本的に葉が全て落ちてしまっても、枝がなくなってしまっても塊茎に問題がなければまた芽吹き始めます。しかし本来休眠はしないので完全に水を切ったりすることは出来ません。

日照

温度

湿度

通風

灌水

植え込み

肥料

病害虫

植え替え

増殖

日照

自生地では樹上高くの木の葉の木漏れ日が当たるような場所に付いていることが多いです。
基本的に光が好きなので、屋外管理の場合は春、秋はある程度直射日光が当たる場所(朝だけ当たる、陽の傾きによっては当たるなど)で管理、夏の直射日光は焼けてしまうので、最低でも30%ほどは遮光した方が良いです。酷く葉が焼けてしまうと最悪枯死する場合もあり、塊茎部も焼けるので注意が必要です。夏季は陽に当てるより焼けないように注意するように管理すると良いです。
屋内管理の場合、ライトなどの人工照明のみで栽培する場合はライト直下でないと徒長したり弱ったりします。(多肉用の800Wなどハイパワーのものは別)
一概に照明だけの原因ではないかもしれないですが、通年人工照明下、室内栽培だと葉がうまく展開しなかったりする場合があります。暖かい時期はなるべく日光に当ててあげたりした方が健康的に育ちます。
塊茎部にも葉緑素があるので葉だけで無く全体に光が当たるようにした方が生育は良いです。また、Hydnophytumなど枝を複数伸ばし成長するものは徒長しても枝を切るなどして作り直すことが簡単ですが、Myrmecodiaなど枝が少ないものは作り直すの時間がかかるので注意です。

温度

栽培に適した温度をまとめます。最低は全て15度としていますが、15度でも入手する前で管理されていた温度が高ければ葉は全て落ちる可能性があります。
また、最低8度程度でも生存することも確認しておりますが、暖かくなってから腐ったり、枯死率が高いので推奨はしません。
また、最高温度についても風通し、遮光、室内環境などで変わるのであくまで目安です。実際にはもう少し高い温度でも問題無いものも多いです。

・低地性   15度〜35度
・中高地性  15度〜30度
・高地性   15度〜27度

湿度

基本的に熱帯雨林に自生しているので湿度は高い方が良いです。しかし高すぎると葉がうまく展開しなかったり、塊茎が腐ったりするので、目安としては50〜80%の間が良いかと思います。
また、株の大きさによっても違いがあります。小さい株であれば高湿度であっても塊茎が腐りにくく、逆に調子が良かったりします。塊茎部がゴルフボール大ぐらいの株から、通風をより意識すると良いです。
冬季室内などでどうしても乾燥してしまう場合は加湿器やこまめな霧吹きでカバーしたり調整してください。

通風

通風は必要ですが、直接風が当たるようにすると乾きすぎてしまうので、空気が動いているぐらいの通風を心がけると良いです。
株の大きさによっても違い、大株になれば塊茎周りの空気が葉や枝など動きにくくなる場合があるので気をつけます。実生苗など、小さな株は空気が若干動いているぐらいで大丈夫です。逆に乾燥しすぎるとよく無いので、蓋を少し開けるなどした密閉していない水槽が管理しやすかったりします。

灌水

基本的に用土や植え込み材の表面が乾いたら水やりをします。
着生植物なので根に空気がまわるようにこまめな灌水が出来ると調子が良いです。基本的に停滞した水は嫌います。
板付けにしている場合や鉢植えの場合、植え込み材の違いでも変わってくるので難しいですが、栽培している植物の中で熱帯性のビカクシダ(リドレイ、コロナリウム、マダガスカリエンセなど)や自生地に近い洋蘭などの灌水を目安にしてみると良いです。
常に植え込み材の中心が湿っている方が成長は早いですが、上記を踏まえて濡らしすぎには注意してください。

植え込み

ヘゴやコルクなどに着生させる方法鉢植えバスケット(木枠)植えなどがあります。
着生させる場合は水苔で水分量を調整してください。頻繁に水やりが出来る、湿度が高い時は少なめ、特にそういった環境では無い場合は少し多めにつけると良いです。乾燥が激しい、あまり水やりが出来ないと言った場合は着生させる方法はおすすめしません。
鉢植えのものを着生させる場合は根を崩さないようにした方が無難です。

鉢植えの場合は水捌けが良ければ何でも育ちますが、扱いやすいものは水苔、ベラボンなどです。ピートモス、用土などでも栽培出来ますが当方では使用していません。
鉢植えの場合、3分の2ほどを発泡スチロールなどを入れて浅鉢のようにしたり、素焼き鉢にしたりすると乾湿が付けやすく、根腐れも起こしにくいです。
バスケット(木枠)に植える場合も同様です。

肥料

無くても育ちますが、施肥すると葉の色も良くなり成長が早いです。
液肥が扱いやすく、特に実生株などの小さい株は固形肥料だと肥料焼けする可能性があります。ゴルフボール大ぐらいである程度大きければ固形肥料でも問題無いです。

病害虫

あまりつくことは無いですが、種によってはハダニ、コナカイガラムシが付きやすいです。ハダニは葉の裏、コナカイガラムシは新葉と根につきやすいです。
オルトランDXで予防、発見したら市販の園芸用農薬(ベニカXファインスプレーなど)で駆除出来ます。
発見が遅くひどい場合は葉を全て落としても良いです。
病気は今のところ確認していません。
Myrmecodiaの場合、葉にカイガラムシのようなぶつぶつがある場合がありますが、これは分泌物が固まったもので、特に多湿な環境に移したときや、現地葉に多かったりしますが、何の影響もありません。何かの生理現象だと思います。出始めはカルスのような半透明のものがプツプツと出てきます。見分け方としては、分泌物なら削ぎ落とそうしても剥がれません。カイガラムシなら剥がれて潰すと茶色い体液が出るはずですので、一度確認してみてください。

植え替え

着生させている場合は着生材が小さくなってきて根を張る場所が少なくなってきたら大きな着生材に付け替えます。なるべく根は切らないよう付け替えると良いです。ヘゴなら少し砕いて調整し、ヘゴごと水苔で包んで付けます。
また、根があまり成長しておらず、着生させている水苔が傷んでいたりすれば付け替えます。
鉢植えの場合、鉢が塊茎に比べて小さくなりすぎていたら植え替えます。特に問題が無くても根の状態を確かめる為に2年に一度は植え替えると良いです。傷んだ根は取り除き、根の整理も最低限に留めた方が良いです。特に問題がなければ鉢増しするだけで大丈夫です。

増殖

実生枝挿しが出来ます。多くの種は自家受粉して果実が付きます。赤く色付き、大きくなったら萎む前に収穫し、中から種を取り出し湿らせた水苔などに撒きます。種は乾燥に弱いので基本採取したらすぐに撒きます。乾かさずにしばらくすると早くて3日ほどで発芽してきます。
枝挿しの場合は時間がかかりますが発根して塊茎が出来ます。健康な枝をカットして水苔で包んで植えてしばらくすると発根してきます。生水苔に挿すと成功率が高いです。
枯死寸前であったり、弱った株を生かそうと枝挿しをしても成功率は低いです。健康な状態の良い株であるほど良いです。